2005/7/29 銀河の歴史 1頁目
スタッフよりの締め切りが明日に控えてもなお、とめどなく溢れる気配の無い自分の創作力に疑問を抱く昨今、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今日はメニュー周りのBGM製作に纏わる話をいたしましょう。
事の始まりは、弦アレンジをしてくれないか、というlinda提督からのご依頼でした。
『NEW SPACE ORDER』の音楽は、メニュー周りでは弦楽四重奏を中心とした室内楽的なイメージで、
本編ではオーケストラ編成のシンフォニックなイメージで、と分けられているのですがその室内楽的な方で参加したわけです。
最初に頂いたイメージとして「宇宙の書斎でページをめくる」のような感じのことを言われたのですが、
自分の中では「ユリ○ンが船の中で歴史を振り返ってた感じ」と翻訳されました。
そもそも弦楽四重奏とは、室内楽の中でもっとも完成された編成の一つといわれ、管弦楽曲ばかり書いていると弦楽四重奏曲を書くときに苦労するともいわれます。
2本のバイオリン、ビオラとチェロが1本ずつの四重奏なのですが、すべてをバランスよく配置し、調和の取れた響きにするには相当な修練が必要となります。
それは無駄な音を書けないからです。
しかし今回は宇宙。それは最後のフロンティア。
他の音(管打楽器やシンセサイザーなど)も多少混ぜても良いとのことで、開発中の画面や設定資料を参考に少し未来なアレンジを施してみました。
linda提督の楽曲の弦アレンジはもともとの曲を崩してしまわないように注意しました。
例えばトップメニューでは、linda提督の書いたメロディーには殆ど手をつけず、内声(2ndViolin,Viola)の処理に心を配りました。
というのも、linda提督のメロディーはとても躍動的だったので、下手に手を加えるよりもその勢いに乗ってしまった方が良いと思えたのです。
一方、デブリーフィング画面の音楽やシナリオモードの音楽はその性格上シンセサイザー音などは用いずに、飽くまでも木の匂いする音楽になるように心がけました。
一部打楽器を少し使用していますが、中心に据えられた弦楽器群の木質の香りをさえぎることはありません。
それらについては、次回詳しくお話いたしましょう。
オイレンシュピーゲル男爵
|
|