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民主戦艦II型

戦艦 概要

U.G.S.F.艦隊の主力となる荷電粒子砲を主兵器とする戦闘艦である。
LoLに登場したのは「戦艦II型」である。対艦砲撃のみならず対惑星爆撃能力等も有し、かつ火力・防御力は他の艦艇の追随を許さぬ文字通り最強の艦艇である。

第二世代型装甲打撃艦(Armored Strike Ship)
上記が正式名称である。通称は「戦艦II型」と呼ばれた

呼称に「戦艦」の文字が含まれるので艦種を「戦艦(Battle Ship)」に分類しがちだが、これは間違いであり「打撃艦(Strike Ship)」が正しい分類である。
系譜的には、オペレーション・スターブレード、オペレーション・ブループラネット等、旧来オペレーションよりU.G.S.F.の中核戦力であった「強襲母艦(Assault Mother Ship)」から艦載航宙機を排し、バッツーラからの鹵獲技術「ディアスタシオン科学(Diastasion Technology)」による荷電粒子砲を搭載した艦種「強襲砲艦(Assault Cannon Ship)」がその始まりとされる。
「強襲砲艦(Assault Cannon Ship)」の時点では艦体に後付けの荷電粒子砲を架装していただけであった。が、後にゼネラルリソース社がこれを進化させ、設計時点から荷電粒子砲の搭載を前提とした艦を作った。これがすなわち「戦艦I型」である。この艦が登場するにおよび上記の艦種分類が確定した。
なお、細かい分類としては、戦艦I型と戦艦II型が「装甲打撃艦(Armored Strike Ship)」、この後出た「戦艦III型」は「高機動打撃艦(High-mobility Strike Ship)」と分類されている。

戦艦I型
戦艦II型

その全長は優に1500mを超える巨艦である。
戦艦I型と、LoLに登場した戦艦II型は、大きく分けて上下2つのブロックで構成されており、それぞれ上部が「艦部」、下部が「火砲部」と呼ばれている。艦部はほとんどが装甲板とENDシールド・ジェネレーターと反応炉(D-hole Reactor)であり、火砲部はその全てが荷電粒子砲とその補機で構成されている。

戦艦II型は、打撃艦としては第II世代型にあたる。The New Space Order Warでは、終結までに第V世代型まで作られた。そのうち第IV世代型と第V世代型は量産されることなく試作のみで終わっている。

以下は標準艦(量産艦のこと)の各艦級を世代別に分類したものである。


第I世代型・・・  ホーク級 (ゼネラルリソース社製)
  ヴァルチャー級 (ゼネラルリソース社製)
  イーグル級 (ゼネラルリソース社製)
 
第II世代型・・・ グリフォン級 (ゼネラルリソース社製)
  ファルコン級 (ゼネラルリソース社製)
  ボレアリス#1級 (ニューコム社製)
   
第III世代型・・・ ボレアリス#2級 (ニューコム社製)
  フィサルス#1級 (ニューコム社製)

さらに上記以外に量産に至らない試作・試験艦を意味する「特殊艦」がある。


第I世代型・・・  ゴスホーク級 (戦艦I型の試作試験艦)
   
第II世代型・・・ カイト級 (戦艦II型の試作試験艦 ※ゼネラルリソース社専用艦)
  オルカエラ#1級 (戦艦II型の試作試験艦 ※ニューコム社専用艦)
     
第III世代型・・・ セタシア#1級 (戦艦III型の試作試験艦)
     
第IV世代型・・・ モノケロス#1級 (非公式クラスネーム。秘匿名称011[N]号艦。詳細不明)
  レイヴン級 (非公式クラスネーム。秘匿名称011[G]号艦。詳細不明)
     
第V世代型・・・ マキシムス#1級 (非公式クラスネーム。秘匿名称012号艦。詳細不明)

戦艦の場合、これら「特殊艦」には「特務艦」「実験艦」も含める。
これに関しては本項最下部に別記としている。特に特務艦はその運用性格上、仕様未公開の秘匿艦が多いのも特徴である。

クラスネーム

各級に用いられているクラスネームはおおむね2種に分かれている。
1つが、英語鳥名によるクラスネームであり、標準艦・特殊艦問わず、第II世代型の戦艦まで見ることができる。これは、この時期まで独占的に艦艇を納入していたゼネラルリソース社の命名ルールである。
もう1つが第II世代型のボレアリス#1級以降で見られる海洋生物の学術名とナンバーネームの組み合わせである。これは本級より納入業者となったニューコム社の命名ルールである。

納入競争

このクラスネームの事実から、航宙機と同様U.G.S.F.におけるゼネラルリソース社とニューコム社の納入競争の一端を垣間見ることができる。LoLの劇中でもマイヤーが漏らしているが、この時代では戦闘艦に関しては、ゼネラルリソース社の独占は崩れ始めている。

戦艦II型は、原型級となったグリフォン級およびその後継級のファルコン級と、一貫してゼネラルリソース社製であった。が、積極的に外宇宙生命体技術の鹵獲とその研究に邁進していたニューコム社は、この時代では一部技術においてゼネラルリソース社を超え、その技術をフィードバックしたニューコム版ファルコン級である「ボレアリス#1級」の建造と納入権の獲得に成功している。
なおファルコン級・ボレアリス#1級共に主幹会社が異なるだけで、一部のシステム(GODDESSのこと。後述を参考)を除き、同仕様の艦艇となっている。これ以降の戦艦III型、すなわち「ボレアリス#2級」からはニューコム社の独占となっている。

戦艦II型の火砲尾部を建造中
所員の背中のインシグニアから、ここがニューコム系造船所であることがわかる
The New Space Order War中期からゼネラルリソース社独占体制は崩壊しつつある

LoLでU.G.S.F.の御曹子でもあるマイヤーの艦隊が運用していた戦艦は、皮肉にもニューコム社製戦艦ボレアリス#1級で、フォボス基地に残存し作戦途中で代替艦として使用した戦艦は逆に全てグリフォン級であった。

諸元

艦名 シリウス (艦長:アラン・ベイツ大佐)
スピカ (艦長:ヴァレンティン・ティンドット中佐)
デネヴ (艦長:アルフレッド・T・ホフマン中佐)
ベガ (艦長:ジェームズ・クラウス中佐)
レグルス (艦長:ショーン・カネミツ少佐 ※ただし特務少佐)
(艦名は全艦アレクセイ・マイヤー大佐命名)
艦名ヒストリ 割愛
カテゴリ 装甲打撃艦
クラス シリウス ボレアリス#1級(ニューコム社製)
スピカ ボレアリス#1級(ニューコム社製)
デネヴ ボレアリス#1級(ニューコム社製)
ベガ ボレアリス#1級(ニューコム社製)
レグルス ボレアリス#1級(ニューコム社製)
艦籍 シリウス U.G.S.F.-DSS-AS2-NCVWQ1013
スピカ U.G.S.F.-DSS-AS2-NCRDE1227
デネヴ U.G.S.F.-DSS-AS2-NBCWX0004
ベガ  U.G.S.F.-DSS-AS2-NCMAQ8400
レグルス U.G.S.F.-DSS-AS2-NBQIH0471
艦番 シリウス 1013
スピカ 1227
デネヴ 4
ベガ 8400
レグルス 471
艦体色 U.G.S.F.標準色
全長 1520m(静止時)
全幅 500m(静止時)
全高 285m(静止時)
総員 197名(地球奪還作戦時) 通常224名(艦隊旗艦時)
航宙性能

※速力は状況に応じて大きく変わるため、24時間移動距離で算出する。
超光速航宙距離 1LY/18時間 (LYは光年・母星時間計測・外宇宙航宙時・反応炉出力を推進系に全力配分)
標準航宙距離  1.04AU/24時間(AUは天文単位・母星時間計測)
戦闘航宙距離  7500CL/24時間(CLはコズミカルリーグ AUの1万分の1 母星時間計測)

反応炉 次元断崖光化反応炉(D-hole Reactor) メインリアクター1基 サブリアクター3基
稼動限界 オーバードライブ:5時間 戦闘稼動:約4800日 航行稼動:約24000日 ※全て艦内時間理論値
推進器 主機 DFD(ディアスタシオン・フィールド・ドライブ)4基
副機 PD(フォトン・ドライブ)4基
跳躍器 リアクター・オーバードライバーを使用。オーバードライバー数は主副あわせて48基。
シールド ENDシールドジェネレーター
主機 8基(艦外展開用)/シールド厚 80レイヤー
副機 16基(装甲内およびバイタルパート用)/シールド厚 48レイヤー
搭載機材
  • 荷電粒子砲 2門
  • 司令部
    ユニット1台のみ。※地球奪還作戦時には、全ての戦艦II型には司令部ユニットは装着されていない。
  • ヴィークル(対航宙機防御用・艦外白兵戦闘用装備) 最大16台
    SV-P/T6 ファランクス(ピースキーパー級トライレッグⅥ型)
    LV-A/A2 ハイドラ(アンドロメダ級アサルトII型)
  • 他、近接迎撃兵器システム
    迎撃ミサイルシステム
    ビームドマイン・ジェネレーター
    ガードスクリーン・ジェネレーター等々多数装備
簡易三面図

艦体構造

標準艦だけで言えば、艦全長でおおむね1200m(戦艦I型)から1500m弱(戦艦III型)という巨大な宇宙戦闘艦である。(特殊艦のサイズはかなりまちまちである)

だが容積の大半は、前述の通り、リアクター、推進器、荷電粒子砲、装甲板、艦載近接防衛兵器によって占められており、乗員に向けのスペースはそれほど多くはない。
艦はいくつかのブロックに分けられ、被弾の際には切り離しが可能となっている。これはダメージコントロールのためであり、誘爆によって艦本体が巻き込まれないようにするためである。これがU.G.戦艦の特徴でありゼネラルリソース社の専売特許でもある「ブロック・シタデル構造」である。

戦艦I型のブロック・シタデル
戦艦II型のブロック・シタデル

リアクター

艦部最後方にあるブロックがリアクターブロックであり、この内部にD-hole Reactorが搭載されている。
ただし、戦艦II型の場合、ここはメインリアクターのみが搭載されており、別途火砲部に3基のサブリアクターが搭載されている。

リアクターブロック

戦艦のリアクターは他の艦艇と比較すると化物並の出力がある。単純にリアクター出力だけで見ると、意外なことに戦艦I型の出力が最大で、戦艦II型と戦艦III型を凌駕する。これは実に最新鋭の航宙機母艦の2倍の出力値を持っている。

一見すると出力の大きさは戦艦の強さを決定付けそうだが、戦艦の力は単純にリアクター出力だけでは決まらない。リアクターが膨大なエネルギーを出すということは、一方で反応封じ込めにも膨大なエネルギーを消費することと同義である。その結果として火力や防御に回す出力が減る、リアクターの寿命が短くなる、出力調整がピーキーでありコントロールが難しい、といった欠点を抱えることとなる。

戦艦I型もご他聞に漏れず、反応封じ込めのためにENDシールド換算にして2000レイヤー相当のDフィールドを内向きに発生させているのに対し、防御はたったの6重の装甲板と14レイヤーのENDシールド程度である。前面を向いて戦闘をし合う艦隊戦ならともかく、軍事帝國航宙機ゲイレルルや、奇襲によって後方から攻撃された場合、防ぎ切れないこともあった。
戦艦II型からは荷電粒子砲のエネルギー効率が向上して消費量が減ったことから、リアクターを4分散化し、個々の出力を下げて安定させることに成功している。これにより封じ込めよりも防御に出力を回せるようになり、I型ほど脆弱なリアクター防御ではなくなった。 さらにIII型にいたっては、更なる分散化と、後述の「モノコック・シタデル構造」により、完全無欠とはいえないまでも相当のリアクター防御を持つまでに至っている。

推進器

艦部左右張り出し部と火砲部左右と張り出し部にあるのが推進器である。戦艦I型で艦部2基のみであった推進器の数は、戦艦II型では倍に増加している。

艦部および火砲部左右の推進器ブロック

個々の出力は戦艦I型の50%にまで落ちているが、4基の合成出力はI型の2倍にまで向上している。また分散させたことで、ダメージコントロールにも寄与している。
なお、主機DFD、副機PDの構成は戦艦I型と全く変わらない。

推進増幅器

戦艦II型の特徴的な外観を形作っている物に、火砲部後方に大きく飛び出したテール状の構造体がある。
これが推進増幅器ブロックで、「アウターブースト式加速推進機関」が搭載されている。

火砲部尾部の推進増幅器ブロック

「アウターブースト式加速推進機関」とは、ニューコム社によって開発された「トライアングル・プロパルジョン・フィン」によって、シェブロン型のディアスタシオン・フィールドを艦尾部空間上に構成して、推進器であるDFD(ディアスタシオン・フィールド・ドライブ)より発せられた推進媒体ディアスタシオンを整流・収束・再加速するための増幅機関である。
通常は火砲部尾部に内蔵されており見ることができないが、使用時に艦外に露出する。通称「シェブロン・ブースター」と呼ばれる。

通常時
シェブロン・ブースター稼動時
トライアングル・プロパルジョン・フィンが見える

The New Space Order War時の対艦戦闘は、戦艦の場合、

  1. 戦闘宙域に到着後、敵位置・編成・宙域を分析、敵艦予測位置にて最大射程を維持し正面対峙
  2. 敵行動を分析・予測し、それに応じて以下3~5を選択
  3. 回避:推進器にエネルギーを重点供給、敵攻撃方向に応じて左右上下を選択・スラスト移動
  4. 防御:ENDシールドにエネルギーを重点供給、敵攻撃手段に応じてレイヤー選択・抗弾
  5. 攻撃:荷電粒子砲にエネルギーを重点供給、敵予測位置に応じてステート選択・射撃
  6. 上記1~5の行動の結果として、戦局が変動した場合、次の予測戦闘宙域へ移動

というのが主流である。(ただし、軍事帝國の戦列艦は除く)
1~5は一見すると多くの時間を占めているように見えるが、実はそれほど長時間の戦闘は多くはない。むしろ戦場においては、6が最も多くの時間を占めているのである。
戦略面から見ても、行軍速度の向上は、いち早く戦闘宙域に到達できることで、敵分析・戦闘宙域分析(荷電粒子砲は磁場や空間物質の影響を受けやすく、屈折宙域や減衰宙域の事前分析は重要であった)時間の増加の恩恵が得られた。これは言い換えれば前哨情報戦で有利に立てることを意味していた。
このため、戦闘艦の推進機関には以下の要件が求められた。

  1. 戦闘機動力
  2. 行軍速度

しかしこれには、矛盾が生じた。
DFDという粒子加速流動推進機関はその推進原理上、加速する時間とエネルギーが大きければ大きいほど、推進力は高まる。 しかし、上記2要件を粒子加速流動推進機関で再現しようとすると、前後左右上下に長大な加速エリアを持つ必要があり、前面投影面積の大型化、通常推進時にはデッドウェイトとなってしまうスラスタ、また重量超過による艦艇の大型化等々、戦闘艦艇としての不利益が多く積み重なってしまうこととなった。

このことから、戦艦I型では、リアクター出力を限界までチューンアップし、推進器ブロックは小型のまま戦闘機動用回避能力と行軍用の推進力を両立(これでも足りない場合には、使い捨てのマイクロ・クェーサー・ドライブ・ブースターを使用した)させていた。 が、これは前述のリアクターブロックの項で説明した通り、防御力低下、リアクター寿命、出力調整といった諸問題を内包したことから、 ニューコム社では、最終的に行軍用と戦闘機動用の2モードで推進機関を切り替えるのがベストと判断し、シェブロン・ブースターの開発を行う事となった。

戦艦II型のシェブロン・ブースターは、これ自体が推進器ではなく、あくまで推進器より発せられたディアスタシオン流動を、整流・収束・再加速するだけの補助機関であることから、推進器を追加するよりも安価かつ軽量で高速が得られる推進機関となっている。
ただし火砲部の開発がニューコム社であったことから、このシェブロン・ブースターのブースト効果は、ゼネラルリソース社が開発を担当した艦部の推進器2基にはなく、火砲部左右にある推進器2基だけに限られた。また、この部分のみニューコム社の特徴である流線型デザインが見て取れる。

「オペレーション・ファイアヴォルテックス」時撮影
「ヴァンカーク=マーシャル・フロー軍事線」経由で軍事帝國領星系へ
超光速強襲をかける第154艦隊所属、第16突撃分艦隊
火砲尾部のシェブロン・ブースターが展開されているのがわかる

荷電粒子砲

全長にして800m弱もある荷電粒子砲ユニットである。そのサイズは艦部よりも大きい。開発はシェブロン・ブースターと同様ニューコム社の手になるものである。

荷電粒子砲ブロック

軍事帝國の重物質質量弾「カデス・ターク」は、命中すればその威力は絶大だが、色々手は加えてあるが所詮は実弾でしかないため、DサーフェスのENDシールドを被弾経始展開することで跳弾回避が可能で、完全防御状態に入られると打撃力が劣る欠点を持っている。

これに対し荷電粒子砲は、仮にEサーフェスを使ってエネルギーを対抗拡散させるにしても、Nサーフェスを使って中和吸収するにしても、膨大なエネルギーを完全に消去させることは難しく、むしろシールド干渉時の放射エネルギーによって、広範囲にわたって装甲板表面を焼き、必ず大なり小なりダメージを負わせられる利点がある。

欠点は2つで、1つは要求エネルギー量が膨大過ぎる点である。
射撃時は推進エネルギーどころかシールドエネルギーまでも荷電粒子砲に回さないと威力は得がたく、射撃中は惰性推進で敵に攻撃予測されやすくなるか、防御力が0になってしまう(装甲板はそれ単体ではほとんど防御力にならない)ことと、もう1つは、光速を超えることが不可能なのでカデス・タークと比較すると弾速と有効射程で劣ることである。
実戦ではさすがに防御を0にするわけにはいかないので、ほとんど例外なく推進エネルギー供給を荷電粒子砲に回すことが多かった。

戦艦II型の荷電粒子砲

従来の戦艦I型では、膨大なエネルギー量に対して変換機の効率の悪さから発熱がすさまじく、特に長距離砲戦の高出力運用状態下では、継戦能力に大きな問題があった。
この問題から長距離砲戦用の追加砲身「アクセラレータバレル」を別搭載としている。長距離砲戦時には、戦闘前に艦部にある保管槽よりアクセラレータバレルを出して装備し、戦闘終了後、アクセラレータバレルを分離し、再び保管槽に格納、冷却することで発熱による負担を軽減していた。

別搭載されている戦艦I型のアクセラレータバレル
予備も搭載している
戦艦I型アクセラレータバレル接合時

戦艦II型では、リアクターの分散化・エネルギー伝達部・熱電気変換効率の改善を実現したため冷却問題が解決し、砲身分離および冷却が不要となり、後述の「ロングバレル・キャノン・モード」の実現が可能となっている。

ビームステートと「ロングバレル・キャノン・モード」

戦艦は、攻撃距離に応じて砲身を伸縮させることで、さまざまに性能を変更することが可能となっている。

戦艦I型とII型の通常砲戦モード
内宇宙や近~中距離での砲戦はこの状態でおこなった
戦艦I型とII型の長距離砲戦モード
戦艦I型はアクセラレータバレルを結合
II型はロングバレルに延伸しているのが見て取れる

ビームは同時発射条数(L数)、拡散範囲(R数)、連射数(B数)、照射時間(T数)の状態変更が可能となっている。これらは「ステート」と呼ばれ、これら数字の制御によって命中率と攻撃力を決定させている。
たとえば広範囲に攻撃を行ったり、単純に命中率を向上させる場合は、R数の範囲を拡大する。またL数やT数を上げて複数のターゲットや直線的に移動する敵に対しての命中率の向上を行うことが可能である。B数の変更によって敵のシールドを削るような攻撃も可能となる。しかし当然ながら、これらステートを上げていけばエネルギー消費が跳ね上がるため攻撃力が落ち、推進・シールドへのエネルギー供給が滞るので、やがては動けず守れずの状態となる。

これらステートの変更は、砲身内になる「ステートチェンジャ」と呼ばれる部分で行われている。戦艦II型では、荷電粒子砲の内部にある「スパイラル・アパーチャ・チューブ」がこの役割を担っている。
これはニューコム社の開発した新型のステートチェンジャで、従来の戦艦I型のステートチェンジャであるアクセラレータバレルは、ステートの変更が激しい長距離砲戦において、毎度の冷却が必要だったのに対し、このスパイラル・アパーチャ・チューブは、スーパーレアメタル(一部惑星で算出される希少金属のこと)を素材に含有させることで熱電気変換効率を異常に高めており、オーバーヒートしてもすぐに熱電気変換によって自己冷却する特性を持っている。

砲身内部に見えるスパイラル状のものがスパイラル・アパーチャ・チューブ
スーパーレアメタルを使っているため銀色に光っているのが見て取れる

ロングバレル・キャノン・モード

砲身最大延伸で、ステートをL数=1、R数=ピンポイント、B数=1、T数=ショートリミットで撃つ「ロングバレル・キャノン・モード」は、艦の防御と行動が全て停止するが、最長の射程と最強の威力を誇る。戦艦I型と比較して射程で1.5倍、威力は戦艦I型の「アクセラレータバレル・モード」と比較して2倍の威力を持つ。
LoLでは航宙機母艦を基幹とした機動戦をとっていることもあり、脚の止まる本モードは使われることはなかった。

戦艦II型の通常砲戦モード
戦艦II型のロングバレル・キャノン・モード

ENDシールド

戦艦の歴史は、防御機構と砲戦機構の歴史である。

航宙機の項や艦艇の項で、たびたび出てくる名称「ENDシールド(Energy-surface, Neutralize-surface and Diastasion-surface composite Shield)」が最も主要な「装甲」である。

シールドといっているが、物理的な装甲板ではなくエネルギーバリアである。
これを艦内外に複数枚のシールドを展開することで防御を行う。このシールド1枚を「レイヤー」と呼ぶ。後述の「サーフェス」と組み合わせて、多重展開することで様々な攻撃への対応が可能となっている。なお戦艦は、シールド側にエネルギーを最優先で回せば、最大128レイヤーの多重展開が可能となっている。

「サーフェス」とはシールドの種類のことで、「ENDシールド」の名の通り、それぞれEサーフェス(Energy-surface)、Nサーフェス(Neutralize-surface)、Dサーフェス(Diastasion-surface)3種がある。それぞれのサーフェスは特徴があり、対抗する兵器によって切り替えて使用している。


Eサーフェス(Energy-surface)

Energy-surfaceは、エネルギーバリアを形成し、そのエネルギーで防御物体を対抗破壊するアクティヴ・タイプ・シールド・サーフェスで、ミサイルや小型砲弾といった低速物理攻撃やビーム等への対抗として用いられる。なお対航宙機用の近接防御兵器として搭載している「ガードスクリーン」は、このEサーフェスの小型版である。


Nサーフェス(Neutralize-surface)

Neutralize-surfaceは、爆発、ビーム、レーザー等に含まれる電磁波・熱エネルギーを母艦側が計算し、その計算で干渉波を放射し、中和、拡散の後、吸収するセミアクティヴ・タイプ・シールド・サーフェスである。なお敵航宙機のEnergy-surfaceとNeutralize-surfaceの中和も行う。


Dサーフェス(Diastasion-surface)

Diastasion-surfaceは、空間を流すディアスタシオン・フィールドの特性、すなわち、流れに逆らう力と質量が大きいほど乗数的な反発力を発生させるという「乗数反発力」をシールドとして利用したパッシヴ・タイプ・シールド・サーフェスである。これで物理障壁を展開し衝撃を受けとめる。戦闘時では、軍事帝國のカデス・タークや、爆発時の物理衝撃を受け止めるのに用いるが、航行中もこのサーフェスを張ることで、デブリ等との衝突を回避している。

展開角とレイヤー数の関係

戦艦のシールド有効圏は最大40キロほどまで展開が可能である。ただし、エネルギー消費の問題から、艦全周を完全にシールドで覆うことは戦艦でさえも不可能である。そのため攻撃方向に応じて「展開角」を変更する。
例えば、下図のように多方向からの攻撃あった場合は、1枚のレイヤーを広く張ることで防御する。ただし、この場合展開面積が多くなることから、レイヤー数は薄くなるため、強力な攻撃を防ぐことは不可能となる。

さらに前方向のみとか、限定された方向からの攻撃があった場合は、下図のように狭く張ることで対応する。展開面積が少ない分、防御範囲は減るが、重深レイヤーで展開することが可能で、これにより敵の強力な攻撃も防御することが出来る。

シールド運用例

かように、組み合わせで有効な対抗手段が決まるため、防御性能は単純にレイヤー数だけでは決定されず、これを運用する艦長ないしコマンダーの判断によって、薄くても強力な防御になったり、厚くても脆弱な防御になり得た。

たとえば、軍事帝國のカデス・タークの重質量弾による攻撃に対し、Nサーフェス(Neutralize-surface)を展開、対抗した場合、下図のように幾重ものレイヤーを張ったとしても防御は出来ない。これはNサーフェスが、電気・光・熱といったエネルギーを中和・吸収するためのものであり、質量の受け止めが出来ないためである。

この場合、カデス・タークの重質量弾に対し、抗甚しうるのはDサーフェス(Diastasion-surface)のみで、Dサーフェスを重深レイヤーで展開、形状は錘形もしくは傾斜方形の被弾径始形状、展開角は15度程度でようやく対抗しうるのである。
ただし、これだけだと、防御一辺倒になり、強力なカデス・タークの一撃を受け止めた後、失ったシールドの回復、移動エネルギーの再充填、攻撃エネルギーの再充填等、戦闘復帰までのロスタイムが大きい。 そこで、EサーフェスやNサーフェスを組み合わせて、効率的に戦闘を行うことも重要となってくる。
下図は、LoLで実際にマイヤーが使ったシールド展開戦術「DN/EN展開法」である。

マイヤーが使用した「DN/EN展開法」

まず、上図左側の前衛レイヤー~中衛レイヤーのDNグループ(DサーフェスとNサーフェスの組みあわせ)を貫通させて、カデス・タークの重物質弾を瓦解させる。この際、瓦解エネルギーをNサーフェスで中和拡散させる。
このDNグループを複数貫通させると、瓦解した重物質弾は個々の質量が減り速度が落ちてDサーフェスの乗数反発力が効かなくなることから、最後にENグループ(EサーフェスとNサーフェスの組みあわせ)で蒸発させることで防御する方法である。
この展開法の優れている点は、最終的にNサーフェスによって中和拡散されたエネルギーをスクープ・フィールドで回収する点にある。つまり敵の攻撃エネルギーをそのまま吸収・再利用するわけである。
従来は防御後の回避エネルギーや攻撃エネルギーへの再充填に時間がかかっていたのを、マイヤーはこの展開法をギリギリ防御出来る最小のレイヤー数で構成し、エネルギー消費・回収パフォーマンスを向上させて、ほとんどロスなく防御・攻撃・回避の切替を可能にしていた。

劇中、マイヤーの艦隊は、常識論的には到底ありえない活躍をしているが、こういったシールド運用のみならず、陣形、艦隊機動、航宙機運用どれをとっても敵に隙を与えない方法を取っていたからである。

ファランクス・シールド戦術

既に前の項でも述べたが、シールドは、広い展開角(広大な面積)を持つと防御範囲が広がる反面、レイヤー数(厚み)が減ってしまう。

この常識を打破し「広い展開角+重深レイヤー」という夢の組み合わせを可能にしたのが、ウィリアム・マルフェット大佐の考案した「ファランクス・シールド戦術」である。
これは3隻以上の艦艇がいる前提で、各艦を接近させ、シールド有効圏の40キロ以内、ENDシールドを同周波で時間のみややずらして展開する、というものである。

これによりシールド周波の隙間を埋める形でシールドが干渉し、かつこれがエネルギー伝播することで、上図右側のように、全艦が3倍密度ENDシールドをわずか1/3のエネルギーで展開することができた。
これにより艦隊が密集するため回避機動や進行機動は難しくなるが、強固な防衛を期待する場合には効果的な戦術となっている。LoLでもマイヤー艦隊が軍事帝國からの奇襲に対し、密集陣形を再編するが、これはこのファランクス・シールドを構成する為である。

この戦術は後年さらに進化し「ランパート」「ブロッケード・ランナー」「フォートレス」「プリクル」等の多くの戦術を生み出している。

アレクセイ・マイヤー大佐
天才的指揮官であるマイヤーだが、のみならず独自戦術の考案者としても有名
上述の「ブロッケード・ランナー」戦術は彼が中将のときに考案し
オペレーション・ウォークライで使用されている。

装甲板

装甲板は、ニッケル系合金、アルミニウム系合金、セラミック、樹脂が使われ、これらを積層したコンポジット・アーマー(積層装甲)である。 実際には、これら各合金間には空隙が空けられ、内部にはENDシールドが展開されている。この点からスペースド・アーマー(空隙装甲)とも言えなくもない。
4種の素材を使用することから、正式名称としては「Q.S.C.アーマー(Quadruple-material and Shield Composite Armor)」という名称がついている。

戦艦II型接近図
艦のサイズから想像しても、凄まじい厚さの装甲板だが
これが防御力に貢献することはほとんどなかった

護衛艦等は機動力を重視するため、軽量なアルミニウム系合金と樹脂のみを組み合わせた「D.S.C.アーマー(Double-material and D-surface Composite Armor)」、航宙機母艦等の大型艦では、艦体剛性が必要なためニッケル系合金、アルミニウム系合金、樹脂を組み合わせた「T.S.C.アーマー(Triple-material and Shield Composite Armor)」が用いられている。
後に実験装甲として「Qt.S.C.アーマー(Quintuple-material and Shield Composite Armor)」まで作られたが、これは重量増加、装甲容積増大の割にはほとんど防御力に寄与しなかったため、標準艦に普及することはなかった。
現場では「ダブル」「トリプル」「クアドラ」「クイント」などと呼ばれた。

相当な未来の割には、素材がアルミニウム系合金等(組成・合金率・複合法は全然異なるので総合強度は桁違い)保守的な点も特徴である。

The New Space Order Warは、Ace Combat 3 -Electro Sphere-の2040年頃に対し、その約800年後の宇宙戦争である。
この時代では、自身の数百倍の体積をもつ小惑星くらい消し飛ばすことのできる攻撃兵器や、光速にも達する超破壊兵器が常用される戦争となっている。 そうなると、前述のビームステートの項で述べたスーパーレアメタル等を用いても、結局金属、あるいはそれに類する装甲板である限り、こういった超破壊兵器に抗甚することは不可能で、せいぜい巨大な艦体を維持するだけの剛性と乗員保護のための気密が確保されれば良かったからである。

ゆえに多少の積層数や素材が増えても艦体剛性には寄与するが、防御力への寄与はほとんどないに等しく、むしろその巨大な艦体とあいまって乗数的に質量が増加し、戦闘機動性能の低下のみを招く結果となることが多かった。
よって、装甲板の専有容積率から算出した防御性能は、実は最も装甲板厚の薄いD.S.C.アーマーが優れていた。これは「速度は装甲」的な思考において、その軽さから来る行動予測のしにくい変則機動(ランダム・ムーブメント)によって回避率が高かったためである。

護衛艦(Escort Destroyer)
上図は、D.S.C.アーマーを搭載していたピアーサー級護衛艦(護衛艦I型)
軽量高機動艦で、700mものサイズがありながら航宙機に近い機動が可能であった

LoLにおいても最終決戦において、マイヤーの乗る航宙機母艦アルタイルへ放たれたカデス・タークの一撃を、アルタイルは回避できず護衛艦の挺身によって防御するのが見られたが、戦艦や航宙機母艦といった重装甲の主力艦は、遠距離では比類なき力を発揮したが、近距離砲戦においてはしばしば足手まといになることが多かった。

こういった状況でもインフレ的に装甲板厚を増強させてきたのは、U.G.S.F.にとってみれば例え旧態化していても大火力重装甲巨艦「戦艦」は軍威を維持するためには必要であり(この点から呼称が「戦艦」と呼ばれる事となった)、ゼネラルリソース社は、数百年続いた素材系部門の維持と開発実績を作るためだけ「馴れ合い」に他ならなかった。

LoLにおいてマイヤーは「ニューコムの出し渋り」をぼやくシーンがある。
兵站確保を重視するコマンダーとしては、利権のために補給を渋るニューコム社への不満としては当然でもあるが、ニューコム社の視点からみれば、U.G.S.F.とゼネラルリソース社の馴れ合いへの加担を拒むのは、むしろ当然と取れなくもない。
結局、ニューコム社はこの両者の馴れ合いの隙を突き、戦艦II型のシェブロン・ブースターと荷電粒子砲の開発によって大火力高機動艦への端緒を開き、またボレアリス#1級の生産によって戦艦の建艦ノウハウを入手したことで、後の戦艦III型ボレアリス#2級でゼネラルリソース社から戦艦のシェアを奪うことが可能となったのである。

こういった経緯を経て、最終的にニューコム社は戦艦III型の納入権を獲得することができたが、機動力重視の観点から採用したのは、最も優れた防御値を出したD.S.C.アーマーでもなかった。

ニューコム社は、伝導性が無いため装甲空隙に展開することしかできなかったENDシールドを、分子レベルで伝導可能な樹脂を開発、さらにこれに同社の持つナノバイト技術を用い1ユニットわずか100nm(ナノメートル)という極小サイズのENDシールドジェネレーター(ブリッジ兼用)を多数含有させ、樹脂内でENDシールドを展開可能とした。これが「強度はENDシールドと同等」といわれる装甲板「P.S.C.アーマー(Polymer and Shield Composite Armor)」である。
さらに金属で作られた戦艦のフレーム、各種ブロックを中核構造(この部分は戦艦II型と共通)として、これにP.S.C.アーマーを注型し、建艦ドックの重力プローブで造形し、鍛造硬化によって艦を作る、という全く新しい完全単殻構造「モノコック・シタデル構造」を開発するに至った。

このモノコック・シタデル構造によって外部からの抗甚性は非常に高まったが、逆にブロック・シタデル構造を捨てたことで荷電粒子砲やリアクターの暴走時にパージが行えなくなっている。
P.S.C.アーマーは、強固である反面、その防御力は基本的にENDシールド、特にDサーフェスの乗数反発力に頼っている。つまり外部の攻撃からは強靭な装甲ではあったが、内部からの爆発の場合非常に弱いという欠点を持ってしまったのである。これは戦闘でのダメージコントロールが不完全だと内部爆発で沈没してしまうことを指していた。
モノコック・シタデル構造は、内部に誘爆性の高い不安定物質を持たない戦艦では有効な構造であったが、航宙機母艦や護衛艦等、内部に反物質やP兵器やQ兵器等、不安定物質を持つ艦では非常に危険と判断されたため、この構造を持つ艦は、いくつかの例外を除き、この戦艦と後に作られた決戦艦以外では用いられることはなかった。

戦艦III型からは、このダメージコントロールのため、従来の戦艦II型よりも防御コントロールシステムに非常に高度なコンピュータ(GODDESS ※後述)が標準搭載され、より一層の自動化が行われた。

なおこの後の第IV世代型(ゲーム未出)からは、神聖宗教国のイル・ドークト装甲のU.G.S.F.版であるD.E.F.H.A.(ディアスタシオン・エナジー・フィールド・ハイテンシル・アーマー)が用いられるようになっている。

第IV世代型強襲打撃艦(Storm Strike Ship)レイヴン級
原型はThe New Space Order War中期より既にあったが、完成は末期にずれこんだ
開発が混乱したため多くの名前を持ち、レイヴン級以外にも011[G]号艦や戦艦IV型など型など色々な名前で呼ばれた
D.E.F.H.A.を装甲に使用した初の艦艇であり、かつソルバルウの運用艦でもある

艦載近接防御兵器

U.G.S.F.の大型戦闘艦が基本装備としている迎撃ミサイルシステム、ビームドマイン・ジェネレーター、ガードスクリーン・ジェネレーターは当然として、航宙機母艦と同様「ヴィークル」も搭載している。

ヴィークルは元々陸戦隊向けの多脚機動兵器であるが、大型艦はサイズが大きく固定兵装だと近接防御の際の死角が多くあるため、甲板上を直接移動する砲台として搭載されている。戦艦には無人型と有人型の2タイプ4機種が搭載されている。無人型は装甲修理を行うためのものであり、有人型は迎撃を行うためのものである。
また、一部の特殊艦に限り、陸戦隊特殊部隊「サイバーコマンド」向けに作られた人型ヴィークル「XV-6/X1 "MURAMASA"」のデチューンモデル「XV-6/X2 "DAIDOH"」を搭載するものもある。

戦艦I型では、開戦当初はその重装甲からほとんどの攻撃に対抗できたため、これら艦載近接防御兵器は形骸的なものとなっており、ほとんど実効性のあるものは搭載されていなかったが、アウトレンジアタックリポート以降、軍事帝國側の対抗手段として登場した航宙機ゲイレルルが、その機動力で艦隊に肉迫、対艦大型魚雷バリセ・タークを用いて攻撃を行うようになってから、急遽対抗手段としてヴィークルを用意するに至ったという経緯がある。

救助されるヴィークルパイロット
コクピットの一部のみだが、滅多に見れないサイバーコマンド向けヴィークル「XV-6/X1 "MURAMASA"」である
対航宙機迎撃の最終防衛線となるヴィークルは、有人型の方が撃墜率が高かったが、反面損耗率も高かった。

コンピュータと「女神の休日(The Holiday of GODDESS)」事件

戦艦I型の全級~戦艦II型のファルコン級まで、すなわちゼネラルリソース社系戦艦は、ゼネラルリソース社が開発したGODS(Globalpositioning, Offence and Defence control System)を用いていた。
これは本来、情報過多になりがちな戦闘時において、コマンダーや艦長のアシスト用として、自艦・敵艦位置予測情報、攻撃予測情報、防御予測情報の精査や細密分析を行う目的として搭載されていた。

しかし戦艦II型のボレアリス#1以降、すなわちニューコム社系戦艦より、ニューコム社が新開発したGODDESS(Globalpositioning, Offence, Defence, Damage, Environment and Stable control System)と呼ばれる艦制御用のコンピュータが搭載された。
これはGODS以上の機能を持ち、戦闘諸元入力と戦闘命令のみでほぼ自動的に戦闘を行う究極のシステムであったが、反面暴走が多く、一時期U.G.S.F.のボレアリス#1級全艦(約10000隻強)が機能不全ないし暴走という未曾有の事件、すなわち「女神の休日(The Holiday of GODDESS)」事件を起こしている。

「女神の休日」事件その1
暴走を止めることができず、見守るしか出来ない司令部
「女神の休日」事件その2
GODDESSの認識ミスで味方誤射も絶えなかった

GODDESSのメンテナンスはニューコム社の軍属技師が調整・修理する規約のため、ゼネラルリソース社ではその発生理由が解析できず、代わりにU.G.S.F.が解明に乗り出そうとした。
が、ニューコム社のロビー活動により連邦議会からシビリアンコントロール再確認議決のプレッシャーを受け、軍としての行動が制限されたため、原因を解明する機会を封じられた。この結果、GODDESSの暴走はニューコム社の解析および修理を待つしかなく、この間、稼動出来る正規戦艦がファルコン級(1000隻弱)に限られたため、軍事帝國への攻勢の一時停止、モスボール艦の現役復帰、準正規戦力の正規再編をするほどの事態となった。

連邦議会でシビリアンコントロール再決議に反対するU.G.S.F.将官
民主制であるU.G.では、いかに国防の要であるU.G.S.F.といえども
連邦議会やシビリアンコントロールから逃れることはできなかった
そして連邦議会はしばしば企業利益の誘導やU.G.S.F.の牽制の場となることが多かった

後にGODDESSはリプレースによる全艦交換修理が行われた。名目上はGODDESS処理プログラムの一部に欠損につき再セットアップという扱いとされていた。ニューコム社の説明としては「再セットアップ」なので名称はGODDESSのままだったが、明らかに別物となっていたコンピュータが搭載された。これは現場では"GODDESS NEX"と呼ばれた。
NEXとは、「New Experiments(新たな実験)」の略で、ニューコム社が習性として先進的な未実証技術を好むことと、「女神の休日」事件がニューコム社のなにがしかの"Experiments(実験)"の結果によって引き起こされた事件であることを察知して揶揄した言葉である。
"GODDESS NEX"は、GODDESSに比べ安定した動作となったものの、搭載個艦ごとの性能の違いが大きくなり、実用的でなくなった艦も多くあった。

GODDESSはそのシステムの構成が全くのブラックボックスとなっている。GODDESSに触れることができるのは、ニューコム社から派遣されたGODDESS技師官のみに限られていた。

中央の女性がGODDESS技師官
技師官は一応U.G.S.F.の軍属扱いとなっていたが、命令系統的にほぼニューコム社の直下にあった
システム管理に限り艦長と同等の権利を有していたことから、艦長とニューコム技師官の衝突は絶えなかった

特務戦艦

戦艦は基本的には艦隊戦を行うための艦艇であり、実験艦や単独運用、特殊任務等に適した艦ではなかった。特務戦艦とは、これら特定の任務を行うために作られた運用艦のことである。


第I世代型・・・  スパローホーク級 (ホーク級ベースの重装甲戦艦)
  ブラックホーク級 (ホーク級ベースの強襲戦艦)
  サーペントイーグル級 (イーグル級ベースのSAT用特務戦艦)
クラスネーム無し特殊艦 (12隻。各艦の詳細不明。全て特務戦艦)
     
第II世代型・・・ ナイトジャー級 (軍事帝國技術実験艦 ※鹵獲艦もこの級に含む)
  コンドア級 (グリフォン級ベースのSAT用特務戦艦)
  オルカエラ#2級 (オルカエラ#1級ベースの特務戦艦)
  クラスネーム無し特殊艦 (31隻。各艦の詳細不明。全て特務戦艦)
     
第III世代型・・・ セタシア#2級 (セタシア#1級ベースのSAT用特務戦艦)
  デルフィナス#11級 (神聖宗教国技術実験艦。詳細不明)
  デルフィナス#12級 (神聖宗教国技術実験艦。詳細不明)
  デルフィナス#13級 (神聖宗教国技術実験艦。詳細不明)
  クラスネーム無し特殊艦 (18隻。各艦の詳細不明。全て特務戦艦)
     

ここではいくつかの特務艦を例に挙げて説明を行う。

スパローホーク級重装甲戦艦

シールドをNサーフェス重視、装甲板にQt.S.C.アーマー(通称:クイント)を搭載した重装甲実験艦である。10隻が建造された。
実験艦扱いだが、実際はゼネラルリソース社の開発実績を稼ぐための予算消費艦としての性格が強く、建造した10隻は使われることもなくラディウス星系に放置されていた。後にアレクセイ・マイヤー中将がオペレーション・ウォークライで徴発し、分遣艦隊Aフリート(AはArmorの略)に組み込んで囮艦として使用した。7隻は戦闘損失したが3隻は生残している。
実戦においては、装甲板の項で説明した通りQt.S.C.アーマーは防御効果が全く無く、数度の戦闘で装甲板の役目を果たさなくなった。しかし、戦闘コンピュータGODSの攻撃手段予測能力を向上させ、被弾エネルギー吸収率を上げたNサーフェスだけは有効に働き、ほとんどの被弾をエネルギー化し、吸収する事に成功した。
戦闘損失の7隻は、搭載しているキャパシタが敵の攻撃エネルギーを吸収しきれず、オーバーフローしたことによる自爆である。
スパローホーク級はオペレーション・ウォークライ終了後、生残3隻も全て廃艦処分、Qt.S.C.アーマーの開発も停止されたが、Nサーフェスの実績から、これの中和吸収機能を向上させた艦、すなわち「キャパシタ砲艦I型(バザード級)」が建造されることとなった。

SAT用特務戦艦(通称:ドラグーン母艦)

第I世代型のサーペントイーグル級、第II世代型のコンドア級・オルカエラ#2級、第III世代のセタシア#2級は、全て「SAT(スペシャル・アタック・チーム)」向けの特務戦艦となっている。
SATとはU.G.S.F.の抱える特殊部隊で、戦争に対して運用される戦力ではなく、UIMS、サディーンといった「準災害級敵対勢力」に対して運用される戦力である。よってNSOのゲーム中では戦力としては登場していない。

SAT用特務戦艦は、形式上戦艦でありながら航宙機母艦と戦艦の融合型に近く、U.G.S.F.の正式分類上では「重装突撃艦(Heavy Armed Assault Ship)」と分類されている。
SATの主要兵装は、ワンオフタイプの特殊重攻撃艇ドラグーン(ISシリーズ)である。搭載数は1隻あたり2艇、そのうち1艇は補用である。事実上運用艇が1艇しかないのは「準災害級敵対勢力」の種類にあわせてオペレーション、タスク、ミッション、ソーティーごとに装備を更新する必要上、大量のスペースを必要とするためである。

このSAT用ドラグーンすなわちISシリーズ型ドラグーンは、事実上のワンオフ機であり、戦争向けの量産版であるDSシリーズ型ドラグーンとほとんど別物となっている。
何よりも使用兵器制限がなく、SAT特務権限においてA兵器からZ兵器までを無制限かつ現場判断で使用可能となっている。

さらに艦自体の性能として、装甲板はクイント、ENDシールド512レイヤー、対艦装備として8門の大型荷電粒子砲、艦中央下部には準惑星クラスのみなら破壊可能というUIMS複製技術兵器「キャノンシード」を搭載。大エネルギー消費を支えるD-Hole Reactorは、戦艦と同等のモノを3基搭載することによって賄っている。

これら大量の武装を搭載するため、そのサイズは全長約3500m、幅約800mと戦艦に倍する大きさで、形状も三胴式艦体という、文字通り航宙機母艦と戦艦をくっつけたような形(サーペントイーグル級・コンドア級・オルカエラ#2級のみ)となっている。

単艦運用ないし他のドラグーン母艦のみとの連携運用が前提とされており、ほとんど寄港することなくU.G.領星系内を遊弋している。その位置は中央司令部とのデータ・リンケージ・システムであるT.O.P.I.C.S.(Task and Operation Procedure Integrated Control System)からは切り離されているため位置が特定しにくく、U.G.S.F.の中でさえもこの艦を見る者は稀である。
建造数は秘匿されているため不明だが、それなりの数が建造されたようである。ただし、これは運用定数9隻を維持するための代艦でしかないと推定されている。
U.G.S.F.の保有艦艇数はThe New Space Order War時で常備約20万隻~30万隻だが、このたった9隻の建造維持予算だけで100分の1に相当する2000隻分の予算(全て裏会計で連邦議会を通さない。議会も黙認)が投入されており、U.G.が如何に「準災害級敵対勢力」への対応に腐心していたかが分かる。

SAT用特務戦艦というと「ダイダロス」が有名だが、The New Space Order Warの頃には、SAT旗艦「ブルンヒルド」以下、「オートリンド」「ガーヒルド」「グリムガード」「シーグルーン」「シュワートライト」「ヘルムウィッジ」「ロスワイス」「ワルトロート」の9隻が就役している。これら名称も秘匿されており、また外観上の差異も少なかったため、一般的にはどのSAT特務戦艦もその形状から「トライデント」と呼ばれていた。

なお、LoLでの中央司令部の思惑は、マイヤー暫定任務艦隊を太陽系外に退却させた後、SAT特務戦艦「オートリンド」「ガーヒルド」「グリムガード」「ヘルムウィッジ」の4隻で「未確認勢力」である神聖宗教国船団もろとも軍事帝國艦隊を一掃する予定であった。
結果としては、この中央司令部の意に反し、マイヤー暫定任務艦隊が単独で神聖宗教国船団と接触、同勢力との協同作戦で軍事帝國艦隊を一掃することに成功したが、その時点でSAT特務戦艦の4隻は、バーナード星系と太陽系を結ぶ軍事用高速回廊「バーナード=ソーラー緊急線」を移動中で、太陽系まで残り2光年(SAT特務艦なら1日で到着)に迫っていた。

母星ガイア 中央司令部 第一作戦室
この場所に、データ・リンケージ・システムT.O.P.I.C.S.を介して全軍の情報がもたらされ
U.G.S.F.常備軍である外宇宙艦隊28万隻、内宇宙艦隊53万隻、総兵員数32億が制御される

軍属孤児教練艦(通称:孤児艦)

航宙機母艦の項でも述べられているが、艦内乗員の恋愛は自由である。これはU.G.S.F.の艦艇が「家族運用主義」で外宇宙戦闘艦艇を運用していたからである。

外宇宙艦艇への搭乗というのは非常に人の精神をすり減らす任務であった。
絶えず準光速・光速・超光速といった速度領域で航行する外宇宙艦艇は、ウラシマ効果から逃げられない。これはつまり常人の生きる時間軸とは別時間軸で生きることであり、友人、恋人、家族といったあらゆる係累からの決別を意味した。さらにこれに深宇宙で長期間の戦闘任務という条件が重なることで、外宇宙艦艇搭乗員は、常に時間的かつ物理的な孤独と、戦死という心理的プレッシャーにさらされることとなった。

このような任務に好んで就く者は到底あり得ないことから、外宇宙艦艇が建造、運用される以前から、搭乗員運用法はそれ一つが学問に近い状態で仮説と実験が行われてきた。
艦内への遊戯具の搭載に始まり、PXの機能拡張、グリーンスペースの設定、愛玩動物の同乗、カウンセラーの同乗、6交代制、果てはロボトミーや戦闘薬の常用その他もろもろ、人道的・非人道的をとわずあらゆる方法がとられたが、結局決定打はなく、この後の詳細は省くが、様々な試行錯誤の結果、最終的に出た結論は、家族愛、同族愛、男女愛(同性愛含む)といった精神的結合すなわち「絆」が最も有効であるという面映いリポートが、当時すでに独占納入業者となっていたゼネラルリソース社よりU.G.S.F.に提出された。

以降、外宇宙艦艇はすべてこのリポートを元に艦内設計、運用設計がされるようになった。
艦艇乗員の構成に至っては、思考相性、出身、血縁、艦内での性別割合から個人の性的嗜好さえも考慮されて老若男女、硬軟取り混ぜて編成された。ライバル社であったニューコム社でさえもこの点に対しては対抗案が出せず、むしろこの思想をより強めた艦艇を作ったことから、この運用思想の優秀さがうかがえた。

化粧をする女性兵
LoLでもそうだが艦内は意外にアットホームな雰囲気であった

前提が長くなったが、この運用の当然の帰結として、恋愛そして出産による二世誕生がありえた。
通常、誕生子は一時的に軍属扱いとなり、任務終了まで艦内に留めおかれ、任務終了時に親が健在ならば、宇宙勤務から惑星勤務に切り替えることで誕生子は軍属からU.G.市民となるが、この際、不幸にして両親が宇宙勤務時に戦死した場合、残された子は「軍属孤児」となった。

軍属孤児は惑星寄港時に艦よりおろされ、最寄の軍孤児院に所属する。
軍孤児院は14歳まで育成を行う。満14歳となると、本人意思の確認が行われ、一般孤児院へと転院しU.G.市民となるか、軍に入るかの選択が迫られる。軍に入る選択をした場合、孤児は再び宇宙へと上がり、教練用の特務戦艦へと配属されることとなる。

これが軍属孤児教練艦、通称「孤児艦」である。

孤児艦では、能力にあわせ各科に配属され、教練が行われる。戦艦を用いているのは、その堅牢な防御力によって孤児たちを守るというのもあるが、なによりも外宇宙航宙機科以外のすべての兵科がそろっていること、艦内容積に余裕があるのでほかの艦艇よりも収容力が高いという理由の方が大きい。ここでの成績優秀者は、U.G.S.F.の士官学校であるアカデミアへの推薦状がもらうこともできた。

孤児艦は名目上は予備戦力ないしは準正規戦力として扱われた。正規艦隊扱いではないので、ほとんど戦闘に参加することはないが、教練タスクとして辺境警備等もあったため、巻き込まれる形で戦闘に参加した例がいくつかある。
また事故的にオペレーションに編入されて実戦に参加した例も少なくない。前述の「女神の休日」事件では、不足するU.G.S.F.艦艇の臨時補充として一時的に正規艦隊に組み込まれたこともある。
就役数は時代により不定だが、50隻~100隻程度が就役していた。使用する戦艦も型落ちのものを改修して使用していたようである。

なお、メカニックス「ジオキャリバー2」の歴代エースパイロットの項に名前の上がっているアダム・バーカートやミシェル・ボールドウィン(ミシェル・ハイニック)は孤児艦出身で、テストパイロットとなった人物である。

孤児艦出身者は、上記を除きほとんどが士官になることがなかったが、わずかながらアカデミア推薦を受けられた者もいる。
以下は、その数すくない一人の生い立ちである。

まずは最初に「彼」が孤児となった経緯を話さなければならない。

「彼」の両親も軍人だったようである。この「ようである」という曖昧な表現は、「彼」が幼少の頃、軍事帝國に破壊された艦艇に1人閉じ込められ、少なくとも艦内時間で1年以上の長期の漂流の末に救出された時には、ほとんど口が利けない状態にあったからである。

この後、「彼」は他の軍属孤児と同様、軍孤児院に入った。しかし、口が利けるようになってからも、両親の行方は頑として語られることはなかった。

「彼」は軍孤児院の制限年齢である14歳を待たず、12歳にして軍への道を選び、孤児艦アトラス5へ搭乗した。

アトラス5での生活は、「彼」が艦内最若年であったことから、決して恵まれた環境ではなかった。
それでも、「彼」が4年の教程を修了し16歳になった時点では、アトラス5内での最優秀幼年兵となっていた。

最優秀の誉をもって孤児艦での教程を卒業した「彼」は、やがて探査船レーデンに配属された。
しかし、いかな最優秀であっても、軍士官学校からやってきたエリートという経歴にはかなうべくもなかった。
「彼」は孤児艦出身であることを士官にさげすまれ、ここでの扱いも芳しいものではなかったようである。
このときの体験から「彼」は士官になることを目指した。

「彼」の生き様を変えたのは、探査船レーデン着任から1年、辺境宙域での哨戒任務で軍事帝國偵察船と遭遇、これを撃破した時からである。

この遭遇戦の際、「彼」を除く士官含む搭乗員全員が死亡している。
これには不明な点も多かった。確かに探査船レーデンは破損していたが明らかに全員が死亡するほどではなかった。
さりとて戦闘によりレコーダも破損していたことから、「彼」は軍事法廷に召還され証言が求められた。

「彼」は、神に誓い真実を述べると宣誓した上で、戦死した士官と同僚を大いに礼賛し、その死を無駄にしないため自らは死を賭して軍事帝國艦艇に立ち向かった、と高らかに主張した。
さまざまに怪しい点も含まれていたが、状況証拠として破壊された軍事帝國偵察船は残っていた事から、この証言は事実と認定され、その戦功から「彼」のアカデミアへの推薦が確定した。

念願のアカデミアに入った「彼」は、それまでとはうって変わって活動的となった。回りには人が変わった様だと揶揄された。
「彼」は多くの人間と交流し顔を売っていった。その中には、U.G.を事実上支配している巨大企業、ゼネラルリソース社の経営陣の子息も含まれていた。

アカデミアを卒業してからも「彼」は、危険な任務に飛び込んでは何度も生残した。そして、あの軍事帝國との遭遇戦と同様「彼」だけ生残した例も少なくなかった。

そして数年後、「彼」はあらゆるライバルを蹴落とし、とうとう艦隊を率いる頂点であるコマンダーの証、双翼金冠章を手にいれていた。
そして、初のコマンダーとして出撃する前夜、かねてよりつき合いのあったゼネラルリソース社の経営陣の子息から、「彼」の手持ちの戦艦II型の供与を求められた。
「彼」は、コマンダーとしての任務と、U.G.の実質支配者の子息の要望を天秤にかけた。そうして、その子息の要望を選び、太陽系へと向かったのである。

その「子息」の名は、アレクセイ・マクシミリアン・マイヤー。つまりLoLに登場したアレクセイ・マイヤー大佐であり、

孤児であった「彼」の名は、アラン・クロード・ベイツ。つまりLoLに登場したアラン・ベイツ大佐である。

アラン・ベイツ大佐
孤児艦出身者で数少ないアカデミア卒の士官でもあるベイツは
実質的支配者の子息出身であるマイヤーとは真逆の存在であった

ゲームでの戦艦II型

民主連邦で、軍事LV2から生産できる。戦闘ユニット。
長射程のレーザー砲、対惑星爆撃弾を装備。
特に前面の防御力が高く、光学兵器に対する防御力が高い。

『戦艦II型』が登場する第二世代は、主力艦船を戦艦種から、航宙機母艦種に変更する最初の機会であるが、第二世代は戦艦の時代である。第一世代の戦場の主役である護衛艦種を駆逐する役割があるからである。
光学兵装の戦艦は、ミサイルをレーザーで消滅させる性能(次元潜行ミサイルを除く)を持ち、正面からの撃ち合いであれば十数隻の護衛艦種を殲滅できる。

『戦艦II型』は、攻撃力、防御力、射程という戦艦に求められる基本性能のバランスが取れており、第三世代においても『戦艦II型』はあらゆる戦場で活躍する機会があり、また作戦次第では軍事帝國以外の次世代戦艦と互角に戦う事が可能である。
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『戦艦II型』は、『NEWSPACEORDER』の全艦船の中で、もっともバランスの取れた艦船です。
開発内部の話で恐縮ですが、開発の最初は星と戦艦だけしかユニットは存在しない開発段階がありました。
星と戦艦だけで数値調整が行われた結果、艦船の数値調整だけでなく、星の生産量等の基準が戦艦になったのです。

その後、新しい国家、新しい艦種、新しい星々がゲームに実装されました。
その中で、民主連邦というバランス国家の中間世代にある『戦艦II型』は、全艦船、星々の単位時間当たりの資源生産量等、全ての数値調整の基準艦になりました。バランスの取れた艦船になるのも当然です。

終わりを迎えるこの時、シミュレーションゲームの肝、数値調整の中心にあった『戦艦II型』について、振り返ることができる運命に感謝します。

ありがとう『戦艦II型』。

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